Recent entries
2008/08/18 (Mon) 今日も終わり
2008/08/14 (Thu) 夜遊び
2008/08/13 (Wed) 連休
2008/08/11 (Mon) いや〜
2008/08/10 (Sun) あーあ。

Selected category
All entries of this category were displayed below.

(………腹、減った……)

 授業を聞いている最中、俺は耐え切れなくなって机の上に顔を伏せた。
 腹が減った。言い方を変えればお腹空いた。
 ちらりと壁についている時計を見ると、その中につけられている針は11と10を差していた。短針が11、長針が10。若干ずれているのは動いているんだから仕方ないだろう。
 確か朝ご飯を食べたのは6時頃だった。
 そのまま大急ぎで部活の朝連に行ったんだ……そりゃ腹も減るよ、育ち盛りの中学生がおにぎり一個じゃ足りないよ。
 寝坊したのは俺だけどさ。母さんに3回起こされても布団に潜ってたのは俺だけどさ。
 購買に行ってパンでも買ってこようかと思ったけど、朝早くはまだやってない。今やってる4時間目に入る前はめっちゃ混んでて買えなかった。

 お陰で、俺は今3回目の空腹感に耐えているわけだ。

 なんとなく雰囲気で、お腹が鳴るのがわかる。
 あ、今だ、と思って椅子を引いたりして音を誤魔化したり。最初はしてたけど、もういい加減そんなことをしてる場合じゃなくなった。何回も動いてたって変に思われるし。
 絶対に周りには聞こえてるだろうな…少なくとも前後には聞こえてるだろう。左右の隣は前後より幅がある気がする。あくまで、気。
 この先生怒ると怖いのが有名だから、みんな黙って勉強してる。たまに寝てるやつも居るけど。
 ただ俺は今、眠いわけでも喋りたいわけでもない。
 母さんの作ってくれた弁当が食べたい…すごい食べたい。絶対に絶品だよ、うん。


キンコンカンコーン


 この先生のいいところは、チャイムが鳴ったら延長をしないところだ。
 大体はこれで終わりにしてくれる。
 今回も例外じゃない。
「じゃあ、次はこの続きからやるからプリント忘れるなよ。今日はこれで終わり」
 そう先生が言った途端、パタンパタンと教科書を閉める音が聞こえたり筆箱を開ける音が聞こえたりする。
 俺も、今は教科書とかをしまって机の上を綺麗にしよう。

「なあ、お前腹鳴ってただろ。俺も鳴ったんだけどさ」
「マジかよ、全然聞こえなかった」
「でもお前鳴り過ぎだって……」
「仕方ないだろ?鳴っちゃったモンは!早く食おーぜ、ご飯」
「…それじゃ足りないかもよ」

 あの空腹感には、確かにこの飯の量じゃ足りないかもしれない。
 いつもなら、パンを余分に買っておくんだけどな…。

動物の死骸っていうのは、いつ見てもいい気分はしない。


俺が自転車に乗って、遊びから帰ってくる途中だった。
もう時間は6時過ぎ、この季節とっくの昔に日は落ちていて。星だってわかりやすく見える頃、空腹になっている腹を早く満たしたいと思いながらペダルを踏んでいた。
吐く息は白くて、もうこんなに寒くなったんだと実感させる。
つい最近まで、タンクトップでうろうろしていたような気がするのに。長袖を着るようになった時も、同じようなことを思った気がする。
横断歩道を渡ろうと、俺は信号待ちしてた。

(腹減ったなあ……肉まんでも買ってこーかな)

ここから自分の家までの通り道にあるコンビニにでも寄っていこうかと考えていたとき、やっと信号が赤から青へ。
こっちに向かって曲がってくる車が自転車優先で俺のことを待っていてくれて、わからないかもしれないけど一応お辞儀をしておいた。
ちなみに俺、自動でライト点くようになってっから無灯火じゃないよ?
自分でスイッチを入れて点けるライトは確か面倒だけど、どうせ足で踏むだけだし。でもなあ…と思ってたら、いつの間にか自動で点くようになってた。
多分、親になんとなく「ライト点かなくなった」って言っといたから勝手に直してくれたんだろう。
これなら、無灯火同士でぶつかることはない。

そんなことを思っていたとき、俺のライトで照らしていた道路に黒い物体が横たわっていた。

「!?」

危うく踏みそうになったのでブレーキをかけ、ギリギリのところで止まる。
体が少しだけ前に揺れ、後ろに戻ったと同時に片足を地面につけた。

(危なっ……なんだ、カラスかよ。もう少しで踏むところだったぁ…)

ハンドルを右に切ってよたよたした歩きで動き、カラスを避けられる方角へタイヤを向けてペダルを踏む。
その時に、チラッとカラスの方を見た。

印象的なのは、その横たわるカラスの首あたりから出た血。

動物の死骸を発見しても、あまり血を見ることはなくて。

小さい頃、小学校登校時に見たイタチの腹の中を思い出した。

グロい、と思うと同時になんだか可哀相な気分になった。
そのままペダルを踏んで家に向かってしまった俺は見捨ててしまったのと同じ行為をしたけれど、心の中ではお墓でも作ってやりたい気分だった。あくまで気分で終わらせてしまったんだけど。

(…なんか、食欲失せた)

自分が免許を取る年齢になったら、なるべく動物は轢きたくないな。


俺の災難が始まったのは、朝からだ。
自分が悪いから、自業自得なんだけど。

(…あーあ、傘持ってきて正解だ)

学校からの帰り道。学校の校門前からバスに乗って、バス停を下りた。
折り畳み傘を広げて、これから20分近く歩かなきゃならないことに、素直に嫌だと思った。

今日の朝は、見事に寝坊した。
俺はあまり朝が得意ではないほうで、いつも登校するのは時間ギリギリ。遅刻は結構多い方。
今日も例外じゃなく、寝坊した。30分くらいの寝坊は、チャリ通の俺にはかなり答えた。だって朝起きたらもう既に家を出る時間数分前だもんな。
朝飯食ってる時間はなく、とりあえず顔洗って歯を磨いて着替えて…鏡は一応見た。目立った寝癖は無いから手櫛で良いや。気になるところがありゃ、髪をすげェ気にしてるクラスメイトにでも櫛を借りればいい。
―――と、いくら短縮しても起きてすぐに出られるはずはなく。まあ着替えるだけで既に遅刻だったからな。
そんなんで、遅刻覚悟で家を出ようとしたときだった。
親父がバス停まで車で乗せてってくれると言い出したんだ。
別にいい、と意地半分で答えたんだけど。多分母さんが教えたんだろうな…昨日も遅刻しただろう、ってちょっと不機嫌そうに言ってさ。だから送ってってやる、だってよ。
そこまで着て断るなんて、俺はしない派なんで。バス停まで乗せてってもらって、自転車よりは明らかに早く着くだろう時間のバスがあったから、それに乗って学校へ行った。

のは、良かったんだけど。
帰りが歩くことになるのは面倒なんだよなー…かと言って迎え呼ぼうにも、家誰もいないし。
仕方がないと思いつつ、まだ新しい硬いローファーを一睨みしてから歩き出した。

スニーカーを履きたいけど、うちの学校は制服と靴と靴下には厳しいんだコレが。
今日は部活がないので運動靴を持っていない。ローファーで帰るしか無し。
ローファーっていうのは、何度も歩いて柔らかくなってきたところで初めて履き心地が良いんだ。今が一番きつい、硬くて嫌な時期。
そんなときに20分も歩かせるのかよ。…駅で親の帰りを待つよりは、断然マシですけど。

水に濡れるのは別にいい。
靴が色落ちして靴下についたところで、靴下の色はどうせ黒だ。構いやしない。
雨に濡れたところで、靴だってふやけたりするわけじゃないし。
ただ一番今キツイのは、じわじわ新しいローファーのせいで靴擦れを起こしてるってこと。
これがかなり痛いんだわ…いつも左足がなるんだけど、今日も相変わらず左足。でも、いくら靴擦れを起こしてもこの靴のカカトを踏むわけには行かない。あぁ、俺って真面目ー(なんて言ってる場合じゃない)。
かなり痛くなってきた。


そして、誤算だったのは。

両足とも、靴擦れを起こし始めたってこと。


かなり、シンドイです。

両足の靴擦れなんてそうはならないよ?
俺、家を回ってる営業マンじゃねーもん。立派な高校生、れっきとした卓球部デスよ?
卓球部といえどちゃんとした運動部。そりゃー野球部サッカー部バレーバスケ陸上、よりは地味なイメージあるけど。筋力トレーニングもするし、基礎練習は大変なんだぜ?
それなのに。それなのに!両足靴擦れってどういうことだ!
いくら普段運動しているやつでも、新しいローファーには勝てないってか…。
雨に濡れた靴下が微妙に靴擦れに染みて痛ェ。どんな仕打ちだ、コレ。

その後俺は、両足を庇い変な歩き方になりながら、はだしにはなれず靴を履いたまま家まで帰った。

尚、家の中に常備されていると思っていた絆創膏がなかったのには、本気で参った。


お風呂は好きだ。
ドラえもんに出てくるしずかちゃん並ではないけど、好き。
お風呂嫌いの人の理由っていうのは、もしかして面倒とかそういうのなのかな?
お湯(水も然り)かぶるのが嫌とか。
まあ人それぞれいろいろな理由があって嫌いなものがあるよね、生理的に駄目って言うのもあるし。

(温泉行きたいな〜、露天風呂入りたい)

冬の露天風呂は、顔が寒くて首から下が熱い。
そのギャップが面白くて、子供の頃ずっと浸かってたら結局上せてた。顔だけが熱くても体が熱いんだから駄目なんだなとそれでわかったり。
でも、バランス悪いのは嫌なのでやっぱり全体的に暖かい方がいい。
そろそろ私も、上せ始める頃だ。

(…よーし、あの雫が落ちたら出ようっと)

見える範囲にある、ドアノブに付いている雫。
大きめだし、きっとそんなに時間が経たなくても落ちるだろう。そんに軽い考えで、私はお風呂の淵に両腕を置いてその上に顔を乗せる状態になり、ボーッとしながらその雫を見てた。
ずっとボーっとしてるのもすぐに飽きる。というわけで頭の中で好きな曲をスタート。

…一曲。二曲。

(…長い)

一曲が3〜4分、長くても5分のがあるけど、いくらなんでも三曲目突入したら私上せるって。
でも、なんだか悔しいので三曲目をスタートさせた。

でも結局、曲の途中で限界が来てドアノブに付いた雫を手で落としてから、上がっちゃったんだけど。


 私は、夕暮れ時のこの時間。学校から帰ってくる途中にある静かな公園のベンチに1人横たわった。
 この公園は比較的人が少ない。狭くて遊ぶものがあまりないせいと、子供が良く来るせいだろう。この時間帯は、もうお母さんが迎えに来るか、自分たちで帰る頃。

 ああ、暇だ。

 いや、本当は暇なんかじゃない。やらなきゃいけないことが、本当はまだある。
 明日の英語の予習をしなくちゃいけない。こんな時、電子辞書は便利。
 そうだ、卒論も進めなきゃ。借りた本をまずは読破。
 そういえばもうすぐ検定試験だったなあ。
 ギターもいい加減練習しないと、来年はもうすぐ来ちゃうよ。
 やらなきゃいけないことはこれくらいあるのに、私はどれもやる気を起こしていない。そろそろ起こさないと、本当にヤバイ。予習はまあ…置いといて。
 さほど優秀でない私は、単位をとるだけでも必死だっていうのに。ちょこちょこと進める勉強なんて、勘弁してください。

―――タッタッタッタッ……

 何かの足音が聞こえた。
 なんだ?と思う前に、何かが私のお腹の上に乗った。そりゃもうずっしりと。

「ぐぇ」

 これでも女の子かと思われるくらいの声で、重さを表現してやった。
 でもいくら表現しても相手は下りようとしない――うちのペットの、タロは。ラブラドールの茶。

「……タロ、なんでこんなところに…」

 とりあえず私は、どうしてタロがここに居るのかを考えてみた。

1.逃げてきた

 ……私の考えはそこで終わる。
 逃げてきた、といきなり重要で確実的なものを言ってしまった。
 せめて、1.家から逃げてきた とか言えば、2.散歩の途中で逃げてきた と続けられたのに。
 まあいいや、ともかく逃げてきたんだ。逃げてきた、か、出てきた?鎖が、取れた?
 そうだ、2.出てきた 3.鎖が取れた にしよう!

 犬の嗅覚ほどすごいものはない。(いや、きっとあるだろうけど)
 タロは家から学校まで、私が毎日通る道のりの臭いを辿って此処まできたんだ。
 別に何の理由もなく、鎖が取れたからつい飛び出してきて、ただなんとなくここに辿り着いてしまっただけなのかもしれないけど。
 私は、タロが私を迎えに来てくれたんだと解釈することにした。

「帰ろうか」

 都合よく返事として「ワン」と吠えてくれるわけでもないうちのペットだったけど、尻尾を振って付いて来るんだから良しとしよう。

 とりあえず、家に帰ってから何をするか決めようかな。



| HOME | Next


Design by mi104c.
Copyright © 2008 霜日和 -shimobiyori-, All rights reserved.
ホームページ アフィリエイト レンタルサーバー FC2ブログ